MIT白熱教室の物理学は面白くないけど面白い


第2回「電車でジャンプしてもそのまま着地する理由」の感想。

http://www.nhk.or.jp/hakunetsu/mit/130112.html

日曜日のNHKは意外と気になるのがあります。
僕は物理学科出身なので、非常に興味をもって見ていました。
この教授もかなり有名です。


今回の授業の概要
子どもの頃、誰もが抱いた疑問「高速で移動する電車や飛行機の中でジャンプしても、なぜずれることなく、元の位置にそのまま着地できるのか?」。ルーウィン教授が、その疑問にあっと驚く実験で答えます。さらには、木から落下する猿を銃で正確に撃つには、どこを狙えば良いのか?重力加速度の仕組みを解き明かすため、サファリ服に身を包み、猿のぬいぐるみとバネ式銃を手に奇想天外な実証に挑みます。


内容はNHKでやってる高校物理講座と一緒です。
「特に」驚くような実験はしていません。
まぁ授業なんてだいたい同じで面白くない・・・と思いますが、
では、NHKとMITのルーウィン教授と何が違うのか?




それは「ライブ感」。

NHKの授業は編集されているので、実験といえど完璧な手順で行われています。
手順ミスや言い間違いは絶対にありません。編集ですから。
実験が機械的なんですよね。


一方、ルーウィン教授は、編集なんてありません。授業の前準備は相当しています。
でも観客を実験助手にしたり、少々安っぽい道具を用いて、どきどきしながら(観客を驚かせながら)実験を行っています。
このドキドキ感が面白い。
そして覚えやすい。

黒板に書いてある内容をきれいな字で書いてあるノートよりも、先生の小言をノートのはじっこに書いてある汚いノートの方が覚えやすい。
そうゆう感情に訴えたものの方が覚えやすいですよね。



ルーウィン教授のセリフで「特に」印象に残ったのがあります。
授業の中で、テニスボールを上に投げて取るという実験がありました。
エネルギー保存の授業です。

力学の授業の最初の方に出てくるアレです。


「このテニスボールを上に投げて取るというのを実に見事な実験じゃないか?」とルーウィン教授は言った後、

「なんだ退屈か」とがっかりした表情で言います。(観客はややウケ)

「この面白さをわかってもらいたい」との事で、今度は移動する乗り物の中でボールを投げたらどうなるかという実験をやります。

結果は、移動する乗り物の中でもボールを上に投げたらそのまま下に落ちます。まぁ当たり前です。


例えば飛行機に乗っていても新幹線に乗っていても快適に過ごせている。
本人もボールも高速で動いているように感じない。
だから当然真上に投げたら、真下に落ちてくるのは当然。


実は人は、時速10万キロの猛スピードで動いている乗り物(地球)に乗って生活している。
生活していてもそのスピードは自覚出来ない。


ボールを投げるだけの事でも改めて考えると、退屈どころかとても驚くべき実験になる。
自分の目で見て体験することが重要だと。


普段何気なくルーチンワークのように仕事をしていますが、意味を考える事によってとても興味深い仕事になりそうです。
そうゆう意味でも、この授業は面白い